これは必見!書評:『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』アダム・グラント著
こんにちは、渡邊康弘です。
いやぁ、やはり名著を改めて
日本語で読み直すというのは面白い。
アダム・グラント著の
『誰もが「人と違うこと」ができる時代』は
非常に面白かった。
ただし、タイトルの
誰もが「人と違うこと」ができる時代は
少し言い過ぎていて、
できることを実証したものではない。
オリジナルを語った一冊だ。
そもそも、なぜアダム・グラント教授が
このテーマを題材に一冊書き上げたのか?
それには彼の失敗がある。
ある会社の創業支援を頼まれたが、
グラント教授は断ってしまった。
いまやその企業は、
創業5年のうちに、年商10億ドルも稼ぐ
一代トレンド企業になった。
さらには、昨年のファストカンパニー誌で
いま最も熱く革新的な企業、
モースト・イノベーティブカンバニー選ばれた。
http://www.fastcompany.com/3039573/most-innovative-companies-2015/warby-parker
その会社こそ、日本ではなじみがないが、
メガネ業界のネットフリックスと呼ばれる
「ワービー・パーカー」だ。
この「ワービー・パーカー」の投資を断ったこと。
なぜ、こんな最悪な決断をしてしまったのか?
これまでの常識、思考をすべて一回クリアにして
ゼロベースから、
オリジナルの定義を構築し直したのが本書。
グラント教授は、本書を通して、
これまでの徹底的にリスクを冒すことが必要だと思われていた
オリジナリティの通説を覆し、
オリジナルな人たちは私たちが思うよりもずっと普通の人だと
いうことを示している。
だからこそ、非常にわかりやすく、
面白い事例が豊富だ。
それでは、
レゾナンスポイント(共鳴したところ)を見ていこう。
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・オリジナル人とは「みずからのビジョンを率先して実現させていく人」
・「今あるもの」をそのまま使うのではなく、みずから行動を起こして、よりよい選択肢がないかを探し求める
・神童と呼ばれた人が大人になて世界を変えることはまれだ。
・オリジナリティとは、「創造的破壊」をすることだ。
・リスクを嫌い、アイデアの実現可能性に疑問をもっている人が起こした会社のほうが、存続する可能性が高い
・ある分野において安心感があると、別の分野でオリジナリティを発揮する自由が生まれるというメリットを見逃しているのだ
・自分の限界は、自分で設定していたにすぎない
・失敗することよりも、やってみないことのほうが後悔する
・オリジナリティを阻む最大の障害はアイデアの「創出」ではない―アイデアの「選定」なのだ
・ある対象にくり返し接するほど、その対象をもっと好きになる
・問題をどうにかしようとしているとき、「無視する」という選択肢はない
・状況を変えるには、現実的な選択肢は「離脱するか」「発言するか」だけである
・長期的に見て、私たちが後悔するのは、「行動を起こしたうえでの失敗」ではなく、「行動を起こさなかったための失敗」である
・ツァイガルニクは、達成した課題よりも達成できなかった課題のほうをよく覚えているということを証明した
・オリジナリティを大いに発揮する人は、大いに先延ばしもするが、まったく計画をしないわけではない。戦略的に先延ばしをし、さまざまな可能性を試し、改良することによって少しずつ進めていく。
・ずっと私たちに協力的だった人たちは、最高の味方にはならない。最高の味方になるのは、はじめは反対していたが、しだいに味方になってくれる人たちだ。
・世界を「創造する者」は、自主的に考える人であり、「好奇心が強い」「まわりに同調しない」「反抗的」という三つの特質がある
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本書は骨太の一冊であり、優れた名著。
これからの時代を生き抜いていくために、
これでいいんだと、後押しをくれる一冊だ。
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『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』
アダム グラント (著)
http://amzn.to/28WkUyF
三笠書房 (2016/6/24)
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