READ 2 INNOVATE! 読書からイノベーションを起こす情報集!

『1冊20分読まずに、「わかる!」すごい読書術の』の著者渡邊康弘が、最新のビジネス書をはじめ、読書会や読書法など、読書とイノベーションに関する様々な情報をお届けするブログです。

【待望の一冊!シカゴ大学教授がおくる脳と体の秘密の関係】書評:「首から下」で考えなさい シアン・バイロック著 サンマーク出版 2015/7/14

体はダイレクトに脳とつながっている。あなたが幸せになれるかどうかは体と心と頭が健康かどうかで決まる。もちろん人はみな幸せになるために生まれてきたのだけれど。体と心が健康でなくては幸せになれない。(p260より)

 

f:id:read2innovate:20150804180802j:plain

 

 

 

原書で読み、翻訳書を待ち望んでいた一冊がついに発売された。

『How the Body Knows Its Mind』の翻訳書『「首から下」で考えなさい』だ。

 

私たちの体と脳はいったいどのようにつながっているのだろうか?

もし、体のちょっとした動き次第で記憶力が高まるとしたら?

 

もしかすると、私たちは体のちょっとした動きをしないために、

充分に脳を活性化できていないかもしれない。

 

本書は体と脳の関係における謎に迫った一冊だ。

この本を読み終えたとき、あなたの体と脳に大きな変化が

起きているだろう。

 

 

「首から下」で考えなさい

「首から下」で考えなさい

 

 

著者のシアン・バイロック女史は、シカゴ大学心理学部教授。

人間の行動に関する認知科学の第一人者であり、

ミシガン州立大学で、キネシオロジーと心理学の博士号を取得している。

 

その著者が、体と脳のつながりを知り、

興味深い体験をしながら、自分を磨き

人生、仕事、恋愛を輝かしいものにしてほしいという想いで

本書は書かれている。

 

 

正直にお伝えすれば、この手の本はまず翻訳は難しい。

実際、私自身は原書を読み込み、そしてこの分野を日本語で読みたかったが

そうした高いレベル向けの翻訳書ではなく、

この日本版はもっと、平易な日本語で書かれている。

 

そのためか非常にわかりやすく、よみやすいのが特徴だ。

原書では、cortexとbrainを使い分けされていたり、

脳科学の専門用語が羅列されている。

 

しかし、日本語版はそういった難しい専門用語は極力さけられており、

読者目線で編集されているのが良い点だろう。

 

それでは本書の今すぐ活用できる項目をみていこう!

 

たった一分のポーズがあなたを変える

 姿勢はあなたの内面を表す。たとえば、「パワーポーズ」を一分でもすると、体にエネルギーがみなぎってくる。自分が強くなり、何でもできるような気分になれる。

世界一速いウサイン・ボルドや、テニスのフェデラーナダルをみても、一流スポーツ選手の多くが自分のエネルギーを高めるポーズを持っている。

相手はあなたの姿勢や態度をみて、何を感じているのか、何を伝えようとしているのか無意識に感じ取っている。たった一分でもポーズを変えることで、あなたは力強く、活き活きとできる。

 

ちょっとした動きが脳を何倍も活性化させる

ジェスチャーやアクションはコミュニケーションの手段として利用されるだけでなく、脳の働きを助ける。ジェスチャーは複雑な問題を解きたいときに心のメモ帳としてつかうことができる。

何かを学ぶときに、指や手を動かすだけでも、私たちの脳は活性かされる。私たちの脳と体は、思っている以上に密接につながっているのだ。思うように、覚えられない。いいアイデアが思いつかない。そういう状況に陥ったら、体を動かそう!外に出よう!

 

自分の体を知ることが、

自分の頭と心をコントロールすることにつながる

背筋を伸ばして体の力を抜き、肩を落とす。

首に入っている力も抜いてみよう。

ふだんの姿勢をちょっと直しただけで、

私たちは体と心をうまくコントロールできるようになる。

この手法は、有名なアレクサンダー・テクニークという技法だ。

この技法は、フレデリック・マサイアス・アレクサンダーという舞台俳優が考えだした方法で、音楽や演劇を学ぶ生徒たちが発声法などで活用している。

マインドマップの開発者である、トニー・ブザン氏もこの手法を推奨しており、なじみのある方も多いかもしれない。

 

アレクサンダー・テクニーク入門―能力を出しきるからだの使い方 (実践講座)

アレクサンダー・テクニーク入門―能力を出しきるからだの使い方 (実践講座)

 

 心と体を変える、3分間のメディテーション(瞑想)

体を上手につかい、呼吸法をマスターして瞑想をすれば、不安や迷いはなくなり、慢性的な体の痛みも消え、強迫観念も頭からなくなる。

マインドフルネスの流行りで、いまメディテーションが注目を浴びている。

メディテーションは長ければ長いほど、いいわけではない。まずは短く3分間ぐらい続けるのが良い。外の意識を内に向けて、目元口元に微笑みを浮かべる。息をホーと音を出しながら、はきだし、スゥーと鼻から吸う。これを繰り返すだけでいい。 

 

 私たちの頭と心は思った以上に体から影響を受けている。

本書を読むことで、そのつながりが理解でき、

私たちの生活は、良い方向へと変わるだろう!

 

 文責:渡邊康弘