READ 2 INNOVATE! 読書からイノベーションを起こす情報集!

『1冊20分読まずに、「わかる!」すごい読書術の』の著者渡邊康弘が、最新のビジネス書をはじめ、読書会や読書法など、読書とイノベーションに関する様々な情報をお届けするブログです。

【元APPLE WEBライターが語る、ライティング秘伝書】書評:伝わるWebライティング、ビー・エヌ・エヌ新社、2015/07/17

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記憶喪失になっても、

忘れたくない技術があるとしたら

それは、間違いなく「ライティングスキル」だ。

ライティングスキルは、
たとえすべてを失っても、
紙とペンさえ見つかれば、
ゼロからやり直すことのできるスキル。

私自身もいくつも、
このライティングスキルが多少あったので
ゼロからやり直すことができた。

しかし、正直に伝えれば、
私はそんなに文章がうまい方ではない。

誤字脱字も多いし、熱くなりすぎることもある。
いや、よくある。

マーケティングにおける
ライティングには不思議な法則がある。

・誤字脱字が少しある文章はなぜか売れる
・論理的に見えない文章ほど、頭に残る
・論理の飛躍が起こるとなぜか、読まれる

これらの法則は、
ライター初心者に非常に勇気づけられたし、
私自身もこの法則によって助けられることが多かった。

しかし、実際、ライティングスキルを高めようとすると
上記の不思議な法則は避けた方がいいし、
わかりやすい文章を書けた方が良い。

そりゃー当り前だよ。

となってしまうのだが、
やはり、ライティング力は高めておきたい。

では、どうやったらライティング力を磨くことが
できるのか?

そうした優れたライティング本が
ないかと探していたところ、
近年発売された名著が二冊見つかった。


一冊目は、アン・ハンドリーの
『Everybody Writes』(邦訳:コンテンツ・マーケティング64の法則 ダイレクト出版)。

 

コンテンツ・マーケティング64の法則

コンテンツ・マーケティング64の法則

 

 


ダイレクト・レスポンスマーケティングをベースとして、
ナンシーデュアルテも推薦の一冊だ。

もう一冊は、本書『nicely said』(邦訳:伝わるWebライティング -スタイルと目的をもって共感をあつめる文章を書く方法  ビー・エヌ・エヌ新社)だ。

 

伝わるWebライティング ?スタイルと目的をもって共感をあつめる文章を書く方法

伝わるWebライティング ?スタイルと目的をもって共感をあつめる文章を書く方法

 

 


こちらは、なんとAPPLEでWEBライターを務め、その後
5年間に渡りコミュニケーション部門を率いた
ニコル・フェントン氏の一冊。
ニコル氏は、iPhoneiPadの発表にも関わっており、
その豊富な経験により、本書を書き上げている。

優れた文章、コピーとはいったいどのようなものだろう?

その答えは、コピーに関する本を読めば
どれも似通っている。

共通しているのは、
・わかりやすいこと
・メリットが前面に出ていること
・役立つもの

この三つを提供することだ。

しかし、本書が他のコピー本やライティング本と
まったく違うことがある。

それは、ダニエル・ピンクが『人を動かす 新たな三原則』で
描いたように「売り込まない」文章を書くことだ。

実際、APPLEのメルマガや、
商品リリースのページを見ても決して、
売り込まれているように感じないのが不思議だ。

それなのに、その商品に引き込まれて
思わず、購入のクリックボタンを押している。

いったいどういうことなのだろうか?

その秘密がわかる一冊なのが
本書なのだ。


本書では、もちろん、
ライターの基本的な仕事から
ライティングの基礎。

そして、コミュニティ作り、
売り込まずに売るマーケティング手法、
ライティングフロー、スタイルまで、
しっかり、一冊で学ぶことができる。

まさに、優れた近年稀に見る
ライティングの良書だ!!

非常におすすめ!!